写真
写真①は、「浮遊式砂浜育成装置」が、海中に波の進行方向に対して40度斜め向きにして設置された状況において(2010.11.6設置)、
沖のうねり波が、遠浅干潟沖合いの深い海底から浅瀬に至る海底傾斜に当たって反射し、
浅瀬で白波サーフィン波に変わり、陸地側に向かって進む途中、「浮遊式砂浜育成装置」の作用で
白波サーフィン波が屈折し、瞬時に消波された海面の様子を示すものです。
その場合、水流圧力差により、消波された水流と、屈折されて陸地に走る水流の二つの流れが作りだされ、分散します。
写真②は、2010年11月5日に「浮遊式砂浜育成装置」が、某NPOの下でアマモ養殖現場に波除として採用されて設置された結果、
かねてより構想した通り、砂浜に離岸流の影響で漂砂が並列に砂洲となり、複数円形に堆積した様子を示すものです。
淵流は強い離岸流となり、干潟上で白波サーフィン波と交差して干渉することにより白波サーフィン波は消波され、
干潟上に砂が淀むことにより平行砂州が育成されます。
なお、円形砂州は、夜の満潮時に形成されるものと昼の満潮時に形成されるものとが、別位置に形成されます。
写真③は、23日後に、干潟海中にも②と同じような砂洲が形成されていることが確認され、
この時点で円形砂洲が抵抗となって、海水の流れが円形流と淵流の二つの流れに変わった様子を示すものです。
写真④は、円形流と淵流とでは流れに遅速差が生じ、流れの遅い円形流の方に漂砂が多く残って沈殿し、短期間のうちに砂洲が大きく嵩上げされ、更に育成されていく状況を示すものです。
写真⑤は、砂浜において、干潟の嵩上げ育成が進んで漂砂が多く沈殿し、
短期間で写真②の場所と同じ場所に、約40cmの嵩上げがあったことを示し、
また、陸地において、砂浜に上がった砂が天日で乾燥され、
海風に飛ばされて陸側に積もって嵩上げされている状況を示すものです。