インフォメーション & 過去の研究

過去の研究 一覧

 

information TOP

 

2022-10-01 05:00:00

消波装置 特許第3609052号

【項目】

 

     

 

 

【消波装置のご案内】

 海洋では風により発生する沖波は、あらゆる方向に生じます(ここではこの波を、元波と説明します) 元波は砂浜に向い進行致します(リアス式海岸ではこの限りではありません) 海底地形が世界の海岸線の形状を形成しており元波が砂浜に到達する際、必ず最初に沖の浅瀬を通過します(ここではこの浅瀬を浅場と説明します) 海底地形と浅場の関係で波の屈折現象が生じ、砂浜に向かう元波の進行方向を規則正しく位置付けます。このとき砂浜側から沖合に向かって、吹く風波は、あまり元波の砂浜進行に影響ありません。元波と風波は別個に考えております。沖合漂砂が砂浜まで到達する過程では、初めに元波が深場から浅場に到達し海底傾斜に反射 白波化→白波が砕け離岸流になります。このサイクルを砂浜まで何回も繰り返し、砂浜に到達した時点で消えて行きます。 上記自然サイクル全体のバランスが均等化され今現在、各地海岸の砂浜が形成されています。 砂浜の浸食は陸地側の開発また人工物が上記のサイクル、バランスを壊して離岸流の拡大化を招き、沖合に向かう離岸流を強くしています。(離岸流の拡大の原因、浅場と砂浜の距離が短縮された事など) 離岸流の勢いが強く働く為に陸地側の、漂砂を沖の深みに引き込む弊害があります。 浅場と砂浜間に、元波の進行方向に対し消波装置を40度角度に設置(はたき込み相撲の決まり手をイメージ) 元波の進行先を消波装置の働きにより、消波とつぎに起きる離岸流の勢いを弱く押さえ、漂砂を効率良く砂浜側に淀ませ堆積させます。

【特 徴】

 消波装置は本体と海底間に漂砂及び離岸流の通過空間を設け、また通過空間を設けた事で離岸流が消波装置通過時に起きる現象ウズマキ流を最小限に押さえる事が特徴です。

 消波装置設置により沖合海底深場の堆積物が海上低気圧通過とともに短期間(4~5日)で陸地側浅場に堆積物(砂 石)の引き寄せ効果が確認できました。

 

消波装置

通常強風などによる高波を、陸地到達前に海中で消波する装置

 

砂浜浸食や既存消波ブロックの問題点

砂浜浸食は陸地側の開発により、跳ね上がりの個所と陸地の距離が短縮された事により海水の澱み区間が短くなり堆積物が離岸流によって沖に運ばれる事が原因の一つと考えられます。また既存消波ブロック、港湾防波堤、海岸堤防のように海水を堰きとめる事により、波と波がぶつかり高さを増し、離岸流を拡大させる事も、砂浜浸食の大きな原因と考えられています。

特徴

 

1.本体下部と海底の間に開口部を設けることにより潮流及び離岸流を堰き止めず、緩やかに開口部から沖合に戻す事ができます。

 

2.波の屈折現象により、陸地に対し直角に起こる波に対して45度に向け設置することにより、波が本装置に衝突する時に生じる水圧の高低差を利用し消波が可能となります。白波、巻波、離岸流発生をより小さくすることができます。

 

3.沖合設置により災害時の陸地に押し寄せる大波到達時の補助となります。

 

取り付け位置

消波装置は沖合側海底傾斜に沿って波が陸地側の浅瀬個所で跳ね上がり、白波に変化する個所に取り付けます。沖合海中での設置により海岸線の景観維持が可能となります。

取り付け

 

1.消波装置は特許注入式接合方法により、消波装置の現場組み立てが可能となります。
※想定される消波装置サイズ 直径=波高×1/3 長さ=波高

 

2.消波装置の取り付けには杭の中心部に高圧水流を供給し、杭の先端部分からジェット水流を噴出し本体の重みで杭が沈み、途中のストッパーフランジが海底に到達段階で高圧水流の供給を止めることで完了します。

 

3.消波装置の取り付け個所付近では、波の作用により砂の密度が高く、ジェット杭に高圧水流供給を止めた段階で杭に対して砂の戻りが短時間で働く為取り付け時間が短縮できます。

 

※波の跳ね上がり個所の砂地はコンクリートと同じくらい硬いので杭の埋設部分は5メートルくらいが適当です。

 

 

 

【消波装置 特許第3609052号】写真

 消波装置写真

 

【消波装置 特許第3609052号】図面

 消波装置図面